【先日受けたご相談】
今回は先日、私が相談を受けた方について書いてみようと思います。(龍音寺とは全く関係ありません。)
その方はとある霊園にお墓があるのですが、ご主人を亡くされていて奥様がお墓を守っておりました。しかし、お子様はみな遠方で生活しており、ご本人も高齢で体も不自由ということで、息子さんの家の近くに引っ越すとのことでした。そのため、お墓を守っていくことができなくなるため墓じまいをしたいというご相談でした。それに加えて言われたのが、現在お墓の中には3名のお骨が眠っているということで、それぞれのお骨の一部を移住先のご自宅で手元供養をし、残ったお骨は(表現はよくないですが)できるだけ安価で処理をしたいとのこと。
そこで私がご提案したのが、手元に残すお骨は小さな骨壺に入れてご自宅の仏壇に安置し、残りは海洋散骨を行うというものでした。海洋散骨に関しましては賛否あるかと思いますが、今後需要が増えていく供養の形ではないかと思います。また、我々としても海洋散骨を専門に取り扱いしている業者とお付き合いがありましたので、安心してご提案することができました。そして、ご相談をされた方もこの内容に喜んでいただけました。
【今後の供養の在り方】
当然お墓というのは今後も建っていくことでしょう。日本人にとってお墓というのはご先祖様を供養するためのものではなく、今を生きている方々の心の拠り所でもあります。お墓は日本人の生活に染み付いたものです。しかし時代の変化には抗えません。生まれた場所で一生生活する方というのは本当に少なくなっているのではないでしょうか。そうなるとお墓を守っていくことは難しくなり、新しい供養の形態を望む方が増えていくというのは自然の摂理でしょう。
永代供養や合祀、散骨というのもそうした時代の変化の中から生まれてきたものです。今後ますますこういった供養の需要が高まっていくのは必然のことでしょう。しかし我々がお墓から離れてしまうとますますお墓離れが進んでしまいます。
今後、供養に携わる我々にできることは、お墓のすばらしさを世の中の方々に伝えていき、日本に伝わるお墓の文化を今後につないでいくこと。そして、それでもやむを得ない場合には新しい供養の形を皆様に知っていただくこと。この両面から皆様のお役に立てるように今後も精進していきたいと思います。
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